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非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

お酒を飲まないのに肝臓に脂肪が貯まって肝酵素GOT、GPTが高くなる人がいます。このような病態を、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)と言います。脂肪肝炎を放置すると肝臓の線維化が起こり肝硬変になり、最悪の場合肝癌を発症するということが十数年前からわかってきました。肥満を伴うことが多いのですが、肥満でない人にも見られます。肝臓の線維化は形質転換でおきますので、肝線維化予防にはビタミンAが重要になります。
最近肝細胞の炎症の原因として腸内細菌が産生するエンドトキシン(毒素)の関与が報告されています。腸管壁のバリア機能が正常な状態では毒素は腸管内に留まりますが、NAFLD患者さんの場合、このバリア機能が破綻している(リーキーガット:腸管壁浸漏症候群)ため、腸から入り込んだ毒素が血中に入り門脈を通じて肝臓に到達して肝細胞に炎症を起こしているそうです。腸粘膜の健全化には、ビタミンAやDが欠かせません。また腸粘膜のエネルギー源になるグルタミンも重要です。