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ミトコンドリアと不妊症

細胞の中にはミトコンドリアという小器官があります。ミトコンドリアは発電所のような役目をしておりATPというエネルギーを産生する箇所です。ミトコンドリアは外膜と内膜かの2枚の生体膜からなり、内膜には電子伝達系と呼ばれる酵素群が組み込まれています。この酵素群の中にチトクロム酵素というものがありますが、これにはヘム鉄が含まれています。またCoQ10も電子伝達系の重要な構成要素です。
妊娠(受精)するにもエネルギーが必要です。卵子にも精子にもミトコンドリアがあります。ミトコンドリアでエネルギーを産生する際にどうしても活性酸素が発生してしまいます。ミトコンドリアの機能が低下した状態ではエネルギー産生がうまくできないばかりか、活性酸素も多く発生してしまい、卵子や精子の質が低下してしまいます。ミトコンドリアを若返らすことが不妊治療において重要になってきます。対策としては女性はまず鉄欠乏を改善させることです。女性、男性ともに必要なことは、酸化ストレス対策(抗酸化アプローチ・マラソンなどのハードな運動を控える)をする、電子伝達をスムースに行うためにCoQ10、ビタミンB群、ビタミンC、カルニチンなどを摂取する、などが重要になります。