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血液検査の重要性

今日は午前中だけで6人の方の血液検査をしました。余談ですが、検査依頼書に採血した日付を書く欄があるのですが、今日の日付が2022年2月22日なので今日はやたらと2という数字を書きました。さて、本題に入ります。毛髪や爪によるミネラル検査をしてサプリメントを処方されている人がいますが、毛髪や爪はリアルタイムの情報は得られません。また細胞の栄養状態をきちんと反映していません。血液検査はリアルタイムに体内の栄養状態を反映してくれる素晴らしい検査です。人間の身体は全て栄養でできています。血液の成分も当然栄養でできています。基本的な血液検査は血液一般(赤血球、ヘモグロビン、白血球、血小板などをみる)・生化学検査(AST、ALT、γ-GTP、鉄、カルシウム、アミラーゼなどみる)・血糖値・血漿蛋白検査(CRPなどの炎症をみる)を調べます。ヘモグロビンはタン白質や鉄からできますし、ASTなどの酵素もタン白質やビタミンBなどでできます。どの酵素がどういう栄養からできているか分かっているので、それを踏まえて血液データを読んでいきます。しかし、こういう解析については医学部では教えてくれませんし、研修医になっても教えてもらいませんでした。極端な話、基準範囲に入っているどうかで異常ありかなしかを判定するだけです。師匠に出会って(医者になって10年目)初めて生化学的背景を考えて血液データを読んでいく方法を知りました。目から鱗が落ちるとはまさにこのことでした。今まで症状を訴える患者さんの血液検査をしても原因が分からなかった理由が分かりました。
血液検査は定期的に行うのが理想です。経時変化を見るのが重要だからです。一定だったある項目の値が急に上がったり下がったりした場合、体内で何かが起こっている可能性を考え精査をするきっかけになります。血液検査はちくっと少し痛いですが、重要な情報をもたらしてくれる検査なので年に1回は最低でもしていただきたいです。