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血液検査の項目でMCVがあります。平均赤血球容積と言うもので、鉄欠乏の場合はMCVが小さくなります。MCVが大きくなっている人が時々いますが、これはビタミンB12不足を意味します。ビタミンB12は造血、核酸の合成、神経細胞の維持などに欠かせない栄養素です。またホモシステイン代謝にも関係しており、不足するとホモシステインが高くなり、脳梗塞・心筋梗塞・アルツハイマーなどのリスクが高まることが分かっています。ビタミンB12が不足する原因としては、飲酒・胃粘膜の萎縮(ピロリ菌感染による)・菜食主義などが挙げられます。ビタミンB12は微生物によって合成されるため動物性食品にしか含まれないそうです。ビタミンB12は野菜には一切含まれていませんので、肉や魚を一切食べないベジタリアンの人は欠乏します。野菜ではありませんが、海苔などの海藻類には含まれています。
胃粘膜の萎縮が強くなる(胃粘膜の老化)と、内因子というビタミンB12と結合して小腸で吸収される糖タン白質の分泌が低下するのでビタミンB12が不足します。お酒を飲まない、肉も食べているのにMCVが大きい場合は、胃粘膜の萎縮を疑い、胃の内視鏡検査をすすめます。萎縮性胃炎が見られピロリ菌感染がある場合は除菌を行うことになります。