処方カスケードというワードをご存知でしょうか?処方カスケードとは、飲んでいる薬にる副作用が新たな病状と誤認され、それに対して新たな薬が処方されることを言います。カスケードとは、何段も連なった小さな滝のことで、それが 転じて、同じものがいくつも数珠つなぎに連結された構造や、連鎖的あるいは段階的に物事が生じる様子を表す場合に使われるそうです。
処方カスケードは、心療内科で治療を受けている人や高齢者に多いように感じます。気分の落ち込みや原因不明の倦怠感で内科受診しても、血液検査結果が基準範囲内にあれば異常なしと診断され心療内科を紹介されてしまいます。気分の落ち込みや倦怠感の多くは栄養欠損か機能性低血糖などが原因なので、栄養アプローチや食事療法が根本的な対策なのですが、心療内科を受診すると、抗うつ薬を処方されてしまいます。抗うつ薬には副作用が多く、嘔気などの胃腸症状などがよくでます。新たな症状を訴えるとそれに対して薬が追加されます。気分の落ち込みが改善しないと訴えると、さらに薬が追加されたり強い薬に変更されたりします。そうこうしているうちに、1日10錠近い薬を飲んでいる人も珍しくありません。
薬が増えるということは治療がうまくいっていないことを意味します。最終的には薬をゼロにできるのがよい治療だと思います。薬は症状を抑えるもので根本的な問題を是正するものではありません。処方される薬がどんどん増えている場合は、要注意です。