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補中益気湯でエネルギー産生は増えません

月経過多による貧血と疲労倦怠感でお困りの方が受診されました。漢方薬の補中益気湯を10年以上処方されて内服しているが症状が改善しないとのこと。補中益気湯は、生命活動のエネルギーである「気」の量が不足した「気虚」の状態の方に用いられる処方で、作用機序は、胃腸のはたらきを高め、食欲を出すことで「気」を増やし、元気を補い、胃腸の消化・吸収機能を整えて疲れを改善していくそうです。この方の場合食べられなくて元気がでないわけではありません。月経過多で鉄を多く失い、ミトコンドリアでのエネルギー産生が低下していることが原因です。ならば鉄を摂取して貯蔵鉄を増やすのが最善最短の治療になります。病態に応じたアプローチをしなければ症状は改善しません。そのためには血液検査が欠かせません。慢性的な疲労でお困りの方は是非ご相談ください。