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多彩な症状を呈する隠れ鉄欠乏

女性には生理があるので鉄欠乏に傾いている人が殆どです。ヘモグロビンが基準値を下回ると貧血と診断されますが、基準値を少し下回る程度の貧血の女性は珍しくありませんので、医師も「軽い貧血ですけど、この程度でしたら問題ありません。」と言って真剣に治そうとしない場合が多いようです。医師の多くは貧血を軽視しています。風邪は万病の元と言いますが、私は「貧血は万病の元」と考えています。貧血ですと全身に酸素や栄養がいきわたりません。癌細胞は酸素のない場所を好みます。酸素をうまく運べないので心臓の拍動を増やしてそれに対応しますので心臓に負担がかかり将来的に心不全の原因にもなります。関節リウマチなどの膠原病も貧血と関連があります。
ヘモグロビンは基準範囲内にあっても、鉄の貯金が少ないとさまざまな症状を引き起こします。またヘモグロビンはタン白質不足による血液濃縮があると見かけ上高くなっていまい基準値以下にならないことも多々あります。体内の鉄の3分の2はヘモグロビンに使われますが、その他の鉄は脳、筋肉、粘膜、酵素などに使われます。不足するとうつ病の原因になるセロトニンの合成、筋肉内で酸素を運搬するミオグロビン、喉・気管支・胃腸・子宮などの粘膜、エネルギーを産生するチトクロームや活性酸素を消去するカタラーゼなどの酵素、というふうに様々な組織や酵素に必要とされています。そのためヘモグロビンは基準範囲内にあっても隠れ鉄欠乏だとさまざまな体調不良が生じます。意欲の低下、うつ症状、朝起きられない、慢性的な疲労感、月経痛、頭痛、めまい、耳鳴り、胸痛、動悸、肩こり、冷え性、記銘力低下、微熱など症状は多岐に渡ります。
鉄の不足を診断するにはフェリチンを測定する必要がありますが、この項目は医療現場では重要視されていません。また測定したとしても基準値の問題で鉄不足ではないと誤診されるケースが殆どです。たとえ鉄欠乏と診断されても処方されるのは保険の鉄剤なので、吸収率が悪くなかなかフェリチンが増えません。フェリチンが増えないとお困りの症状はいつまで経っても改善されません。また鉄剤を飲むと多くの方が、胃痛・吐き気・便秘や下痢などの胃腸障害を訴えますが、これは保険の鉄剤は無機鉄なのでフェントン反応を引き起こして胃腸で活性酸素を大量にばらまき胃腸の粘膜を傷つけるからです。
こういった理由で一般的な医療機関では鉄欠乏の診断治療が適切になされないのです。動物の持っている鉄=ヘム鉄が吸収率がよく活性酸素も発生させない安全な鉄なので、分子整合栄養療法ではヘム鉄を用いて治療します。原因不明の体調不良でお困りの方は分子整合栄養医にご相談ください。