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なぜいきなり鉄剤の点滴なのか

栄養療法をやっていますとHP上で謳っている医療機関が最近増えています。しかし、真の栄養療法を提供している医療機関は全国でもごくわずかだと思います。貧血の患者さんが栄養療法も行っている医療機関を受診したところいきなり鉄剤の点滴をされたそうです。栄養療法を標榜していても保険の鉄剤を内服させるところはありますが、いきなり点滴や静注するところはきいたことがありません。保険の鉄剤はフェントン反応を引き起こし胃腸内で活性酸素を大量に発生させます。活性酸素が胃腸粘膜を傷害するため、胃痛・嘔気・下痢・便秘などの副作用がよく起きます。患者さんが嘔気などの副作用で鉄剤が飲めないと言うと「じゃあ鉄の注射にしましょう」となり、そこでやっと鉄の静注や点滴になるのが一般的です。
師匠は無機鉄の危険性についてよく話されていました。師匠に指導を受けた人とっては常識的なことです。しかし、ろくに勉強もせず単なる集患目的で栄養療法を取り入れる医療機関が少なくありません。鉄欠乏に対するアプローチの仕方でその医師の分子整合栄養医学のレベルがある程度類推できると思います。