blog
栄養療法は容量依存性に効果を発揮するので処方する栄養素の量が重要になります。少ない量をいくら飲んでも効果はでません。私も栄養療法を始めた20数年前は、師匠の処方する量にいつも驚いていました。今ではしっかり必要量を処方できるようになりました。しっかり量を処方しないと治るものも治りませんから。
薬での治療の場合、降圧剤などは1日1粒ですみます。その他の薬も1日2~3粒の場合が多いので、それに比べると栄養療法で処方する栄養素の量に驚かれるのも無理はないかもしれません。そしてよく尋ねられるのが「こんなにと飲んで過剰の心配はないですか?」です。まず、栄養素は人間の細胞を構成する分子なので、そのまま細胞の材料として使われます。当然解毒排泄する必要がありません。また人間の腸は賢いので、栄養素の吸収を調節してくれますので過剰にはなりません。ビタミンDや亜鉛は摂取すればこちらの思っているようにデータが改善しますが、鉄に関してはなかなか思ったようにデータが改善しないことがあります。鉄は吸収率の個人差が非常に大きい栄養素なのです。そのため栄養療法において一番摂取する量が多くなるのがヘム鉄になります。とにかく欠乏状態から脱することが必要なので、過剰の心配などせず、欠乏状態であることの方を気にしてください。またヘム鉄とプルーンや鉄入りグミやチーズを少々食べても鉄は過剰にはなりません。ただ、キレート鉄は人工的に手を加えた鉄なので、腸がだまされて無限に吸収し、フェリチンがとんでもない値になる人がいますので要注意です。