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ある患者さんが他院で骨粗鬆症に対してビタミンD製剤を処方されて飲んでいましたが、血液検査で25OHVD(ビタミンDの貯蔵量を見る項目)の値が20ng/ml未満といつも低い値で、主治医から「あなたはビタミンDの値が上がらない体質です」と言われていたそうです。そんな体質などありゃしません。保険のビタミンDの含有量が少ないだけのはなしです。ですから誰が飲んでも保険のビタミンDでは目標値以上にはなりません。分子整合栄養医学的な目標値は40ng/ml以上ですが、サプリメントのビタミンDを1粒飲めば殆どの人が目標値を超えることができます。
保険診療には決まりがあり、処方する薬の量を勝手に増やすわけにはいきません。栄養療法は不足を補うだけの量を摂取して初めて細胞や組織の代謝が正常化し、症状や病態を改善させます。ですから保険の範囲で、栄養補充をして治療効果をだすのには無理があるのです。保険で処方されるビタミンCも量は少ないので効きません。またビタミンEやAは合成なので天然のものとは体内で違う代謝経路をたどり、本来のビタミンAやEの効果を発揮しません。保険を使ったなんちゃって栄養療法では治せるものも治せません。