栄養療法で妊娠された方の事例

* プライバシー情報のため典型的な一例のみご紹介いたします

Aさんご夫婦は、特に卵巣や精子に問題はないので最初は産婦人科でタイミング療法を指導されました。
しかし、5回行ってもうまくいかないので人工授精をすることになりました。

その人工授精も3度失敗したため、そろそろ顕微授精をしましょう、ということなり何度か行いました。
それでも着床に至らないため、gdmクリニックを受診されました。

分子整合栄養医学的な詳しい血液検査を実施したところ、奥さんはタン白質、亜鉛、鉄、ビタミンBの不足が目立ちましたので、治療用の高容量栄養素の摂取を開始してもらいました。

すると5か月目で自然に妊娠できたという報告をいただきました。

妊娠中こそ栄養の需要が亢進するので、妊娠中も定期的に血液検査をしながら栄養素の摂取をするようにアドバイスし、血液データに応じた不足栄養素の摂取を続けられ、無事元気な赤ちゃんを出産されました。

コラム1妊娠はゴールではなくスタート

妊娠はゴールではなくスタートです。
不妊治療でお悩みの方にとって妊娠することは大きな目標だと思います。しかし赤ちゃんにとっては、妊娠はスタートにすぎません。

10カ月間お母さんの子宮の中で成長しないといけませんし、自分の力で産道を通って出てこないといけません。平均寿命が伸びている現代では、80年以上生きなければいけません。健やかに生まれ、成長し、成人しても大きな病気を患うリスクを軽減するためには、妊娠前・妊娠中の栄養状態が非常に重要なのですが、不妊治療を専門にされている産婦人科医はあまりこのことを理解していません。

早産や低出生体重児が産まれる最大の原因は母体の栄養不足なのです。
お母さんからもらえる栄養が底をついたことに気付くと赤ちゃんは早々に出てきます(早産)。満期よりも大幅に早く産まれるため、当然体重も少なくなります。体重が少ないだけでなく、子宮内で10カ月かけて成長すべき臓器の発達が途中の段階で生まれてきますので、将来的にいろいろな臓器の機能低下が懸念されます。

また、栄養状態の悪い母体に宿った胎児は、少ない栄養を少しでも吸収しようとして肥満遺伝子にスイッチが入ってしまいます。生まれてからも栄養を吸収する体質のままなので、太りやすくなり、成人した時に糖尿病・高血圧症などの生活習慣病にかかりやすいということもわかっています。

コラム2妊娠中こそ栄養の摂取をしっかりと

妊娠すると栄養摂取を止めてしまう方が時々おられます。
また産婦人科医からサプリメントは飲まないようにと指導されるケースも少なくありません。

しかし、赤ちゃんが10カ月で3000g前後になるにはかなりの栄養が必要なのは想像に難くないと思います。
妊娠中こそしっかりと赤ちゃんの成長に必要な栄養素をしっかり摂っていただきたいのです。生まれてから乳児湿疹や感染症などの病気にもかかりにくいですし、鉄やビタミンB群を妊娠中にしっかり摂取していると赤ちゃんの神経の成長がよくなりIQが高くなるというデータもあります。