国立成育医療研究センターは、コロナ禍で子どもの精神面にどんな影響があったかを調べるため、去年12月に全国50の小学5年生から中学3年生までの子どもたち2400人余りにアンケートをした結果、小学5年生と6年生では9%、中学生では13%で頻繁に気分が落ち込むなど中等度以上のうつの症状がみられたそうです。私はこのパーセンテージ見た時、朝起きられない(起立性調節障害という病名を付けられる)児童生徒の割合とほぼ一緒ではないかと思いました。
うつ症状は、脳内の神経伝達物質セロトニンの不足で起きます。セロトニンも栄養でできていますが、材料として鉄・必須アミノ酸・ビタミンB群などが必要です。朝起きられない理由は、自律神経の関係で血圧が下がるからではなく、エネルギー産生に必要な鉄が不足することが原因ですので、朝起きられない子もうつ症状を呈する子も原因は同じ鉄欠乏なのです。鉄欠乏以外に朝起きられない原因としては、機能性低血糖症が頻度としては多いですが、低血糖症の理性を司る領域がエネルギー不足になるのでうつ症状を合併することが多いです。
とにかく思春期(成長期)は栄養の需要が大幅に亢進しますので、不適切な食事をする子や偏食の子成長期に一気に栄養欠損に陥り、うつ症状や朝起きられないといった症状がでます。成長期には鉄、必須アミノ酸、ビタミンB群を多く含む肉をしっかり食べることが重要です。症状が出てしまっている場合は食事療法だけでは改善しにくいので分子整合栄養医にご相談ください。